"古本掘出し屋"稼業は面白い
「十セントの古本の山から、数百ドルの値打ちの本を探し出す――そんな腕利きの"古本掘出し屋"が何者かに殺された。・・・」
これは『死の蔵書』(ジョン・ダニング/ハヤカワ文庫)の紹介文の一節から引用。
"古本掘出し屋"は、これだと思える本があれば古書店へ出向き店主と買取の交渉をするさまも書かれている。日本で言えば、梶山 季之の『せどり男爵数奇譚』 (ちくま文庫)の世界に似通ったものだろう。
ただ、『死の蔵書』が書かれたのは80年代。ネットの隆盛によって古書の流通は大きく変わっただろうから、アメリカの"古本掘出し家"稼業(rare book collector)も今はさま変わりしているかもしれない。
若い頃から読書好きなので本は結構あったけれど、10年前の引越しの際、アマゾンマーケットプレイスを利用して不用書籍を処分。古書店を通じての処分に比べて値段がかなり異なることに気づいた。
アマゾンマーケットプレイスのおかげで「せどり」で、結構、稼いでいる人たちがいて、その供給源はブックオフがメインであることも知って、軽い(?)カルチャーショックも体験。
不用蔵書の処分以来、引越し前は歩いて五分の好立地にブックオフがあったこと加えて転居後も近隣には数店あるという好条件のもと、細々とネット古書店を営みながら、気がつけば数千冊の古書在庫が(汗)・・・。
「せどり」と言う表現、どうしても好きになれない言葉のひとつ。
バーコードリーダーを使って必死に本を探す人たちを連想するからかもしれない。
「古本掘出し屋」という言葉にであったとき、これをタイトルにしてブログを書こうと言う気持ちにさせてくれました。